5月17日発売の木下昌輝さんの小説「金剛の塔」の装画を描かせていただきました。
1400年前、聖徳太子が創建したという大阪四天王寺の五重の塔とそれを代々守護してきた宮大工たちの物語です。時代を超えて活躍する職人たちは皆それぞれとても魅力的で、最高に素敵でした。
この本に登場する職人たちの物作りの姿勢にとても言葉では語れないほどの感銘を受け、僕も今回、彼ら(職人たち)に笑われないような仕事をしなければと、ゲラ(最終原稿)を読ませていただきながら焦りと意気込みで脂汗が止まらないくらいでした(笑)

著者の木下昌輝さんは数々の賞を受賞し、直木賞候補にもなるほどの方で、文章はとても読みやすく、構成もオリジナリティに富んでいます。難しく思ってしまいそうな宮大工の建築技術や歴史背景は、緻密な事実調査に沿いながらも、とてもわかりやすく表現されているおかげで、全編を通してたいへん面白く五重塔の建築方法やその時代の人々の暮らしぶりを想像することができ、とても引き込まれました。
本書を読まれた神社仏閣めぐりがお好きな方は、これからはまた違った視点で感動できることまちがいなしです。
日本の五重塔ってどうやって建っているかご存知ですか?
僕も今回初めて知りましたが、知れば知るほど細部まで芸術的で凄かったです!^^

装画に関わったからというわけではなく、本当に内容が濃い素晴らしい作品ですので、ぜひチェックしていただけたら幸いです。実際に手にとって読んでいただけたら、今回僕が絵巻物のように描いた装画の世界もより面白く感じていただけると思います。

個人的には平成を締めくくるタイミングで、このような素敵なお仕事をさせていただきとても光栄でした。
今の自分が持てる全てを込めて描くことができたこと、そしてそれを令和一発目に発表できたことに、関係者の皆様に感謝するとともに心から嬉しく思っています。


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金剛の塔
木下昌輝/著

発売日:2019年05月17日
ISBN:978-4-19-864847-3
判型/仕様:四六判
定価:本体1,700円+税
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発行:徳間書店
装幀:岡本歌織 [next door design]
装画:浦  正

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